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「折れないシャープペンシル」も良いけど「折れるシャープペンシル」もまた良い

シャープペンシルの世界では、最近「いかに芯が折れないか」という点で各メーカーが切磋琢磨している。「折れない戦争」とでも呼ぶべき状況かもしれない。芯が折れずに書き続けられるというのは素晴らしいし、実用的な面でも効果が高い。しかし、人によっては選択のポイントがそれだけではないようだ。

中折れ式シャープペンシル

コクヨ「ミストラル」

私事ながら、高校生の息子が愛用しているのは「折れるシャープペンシル」だ。コクヨの「ミストラル」というシャープペンシルで、高校入学時にプレゼントした一本だが、どういうわけかこれ一筋である。

中央で折れるミストラル

「折れる」と言っても芯の話ではなく、シャープペンシルの本体がカチッと折れることで芯が出てくる機能の商品だ。書きながらワンアクションで芯を出せる点がお気に入りのようで、「芯が折れてもすぐに出せるから大丈夫」とのこと。なるほど、確かにそうかもしれない。

適度な重さもあるので書きやすいらしいのだが、これだけ気に入ってもらえるとプレゼントした方も嬉しい。何が使いやすいのかは人それぞれなんだなと、改めてそう感じた。

コクヨ シャープペンシル ミストラル PS-M100C

コクヨ シャープペンシル ミストラル PS-M100C

 

折れないシャープペンシル

我が家では芯が折れるか折れないかは論議の的にならないが、世の中的にはやはり「芯が折れないシャープペンシル」がもてはやされている。そのなかでも、代表的なのがこの3種類だろう。

デルガード(ゼブラ)

ゼブラ「デルガード」

「芯が折れないシャープペンシル」といえば、真っ先に頭に浮かぶのがやはりゼブラのデルガードだ。最近ではワンアクションで消しゴムが出るタイプなど、ラインナップも充実してきている。出川哲朗さんを起用したコマーシャルも印象的で、認知度としては一番高い商品だ。

ゼブラ シャープペン デルガードLx 0.5 P-MA86-BK ブラック

ゼブラ シャープペン デルガードLx 0.5 P-MA86-BK ブラック

 
オレーヌ (プラチナ万年筆)

プラチナ万年筆「オレーヌ」

 「元祖折れないシャープペンシル」として発売しているのが、プラチナ万年筆のオレーヌという商品。デルガードよりも数年早く発売を開始していたが、認知度としては今ひとつだったようだ。しかし、デルガードの人気で逆にオレーヌも注目を浴びてきているので、それもまた良しなのかもしれない。

プラチナ萬年筆 オレーヌ シャープペン ブルー  MOL-1000#56

プラチナ萬年筆 オレーヌ シャープペン ブルー MOL-1000#56

 
オレンズ(ぺんてる) 

ぺんてる「オレンズ」

最近、急に注目を浴びるようになったのが、ぺんてるのオレンズ 0.2mmというシャープペンシル。なにしろ、芯の太さが0.2mmという極細。それなのに芯が折れないという驚きの商品だ。秘密は芯をガードするパイプにあるのだが、細かい字を書き込む場面では重宝すること間違いなしだろう。

好みの最終判断は自分のフィーリングを信じる

 文房具のなかでも筆記具は人によって割と好みが別れやすいが、最終的には使ってみた時のフィーリングの良さで決めることが多いのではないだろうか。試し書きをしてみて、「おっ!これ良いね」という感じだ。

フィーリングとは「直感的で、漠然とした気分。感じ。雰囲気」という意味。これといった確たるものがあるわけではなく、「小さなことの積み重ね」の結果として感じるものだ。

握った時の感触がしっくり来た、インクの出が気に入ったなど、重さや材質なども含めた主観的な積み重ねがフィーリングとして感じるのだろう。

だからこそ、実物を持って見て試し書きをしてみないと、本当に自分にしっくりとくるかどうかはわからない。毎日使うものだからこそ、実際に手に取った時の自分のフィーリングを確かめてみたいし、その時の感触を信じてみるのが一番だと思う。

「居酒屋ぶたぶた」(矢崎存美)、今回も心温まるホッとする一冊だった

本好きで年間にたくさんの本を読む。そのなかでも、新刊が出ると必ず読む「定番シリーズ」がいくつかある。初めて読む作家さんの物語もワクワクして良いが、定番シリーズには登場人物やストーリー展開に安心感がある。「このシリーズを読めばこんな気持ちになる」というのが分かっていると、落ち込んでいたり気疲れしていたりする時には効果的だ。

そういった「安心できる定番シリーズ」をたくさん知るためにも、年間を通じた読書の時間は大切にしている。

心温まる「ぶたぶたシリーズ」最新刊 

「居酒屋ぶたぶた」表紙

気分的にゆったりしたい時に読みたくなるのが、矢崎存美さんの「ぶたぶたシリーズ」。シリーズ25作目となる「居酒屋ぶたぶた (光文社文庫)」が12月に発売されたが、いつものように心温まる短編集だった。 

内容(「BOOK」データベースより)

寒い冬の夜。商店街の一角に気になる店が。覗いてみると、温かな雰囲気に心が躍る。ああ、入ってみたい、そんなとき。もし、店の隅にピンクのぶたのぬいぐるみが転がっていたら、それは「味に間違いない店」の目印かも。見た目はぬいぐるみ、中身は心優しい中年男性。山崎ぶたぶたが、いろんなタイプの飲み屋さんで、美味しい料理とともにあなたを待っています。 

 「ぶたぶたシリーズ」の主人公はピンクのぬいぐるみ。バレーボールほどの大きさの可愛い"ぶた”のぬいぐるみだ。しかし、ただのぬいぐるみではなく、歩いて、しゃべって、仕事をしていて、料理が上手な優しい中年男性なのだ。

なぜ動けるのか、なぜ話せるのかということには物語の中では言及されていない。「山崎ぶたぶた」という名前で、万能な優しい中年男性というだけだ。不思議だけれども、素性やなぜ動けるかということは物語とは関係ないのだ。

そんな"ぶたぶた"と知り合った人々は、心に抱えていた悩みや悲しみが徐々に薄れていき、ぶたぶたと知り合ったことで幸せになっていく。このシリーズはそういったストーリー展開が一貫している。そこに読んでいて安心感を覚えるのだ。

今回の書き下ろしは「居酒屋」が舞台となっているが、一話ごとにお店の種類も違えば場所も違う。話は連続しておらず設定もバラバラで、単に「山崎ぶたぶたさんが経営するお店」に「各話ごとの主人公が訪れる」という内容だ。

そして、お店に訪れた主人公達は、それぞれが抱えていた悩みや苦労を綺麗さっぱりと洗い流していくというのが清々しい。

童話のようでいて実に現実的な事件や悩みが発生する。そのギャップも読んでいて楽しい要素のひとつだろう。今回もまた、ぶたぶたさんの活躍に心が温まるとともに、ホワッと優しい気持ちになることができた。心を元気に暖かくしてくれる、心のサプリメントのようなシリーズだ。 

居酒屋ぶたぶた (光文社文庫)

居酒屋ぶたぶた (光文社文庫)

 

ショートショートと短編集の間のようなシリーズ 

「ぶたぶた図書館」の表紙

私が「ぶたぶたシリーズ」に初めて出会ったのが、2012年に発売された「ぶたぶた図書館 (光文社文庫)」だった。当時は「子ども達のぬいぐるみが図書館で一泊する」というイベントが始まった頃で、それと連動してこの一冊を手に取って読んだ。

その時にストーリー展開や内容にぐわっと心を鷲掴みにされた。その後、それ以来に発売されていたシリーズものを遡って読み、新しく発売されるものも欠かさず読むようになった。

話はかなり遡るが、中学生の頃には星新一さんのショートショートにのめり込んでいた。もう40年も前の話だ。世の中にこんな面白い物語があるのかと驚き、お小遣いをせっせと貯めては星新一さんのショートショートを読み漁った。学校の図書館にも、配備要望を出していたぐらいだ。

ぶたぶたシリーズにも同じように惹かれるものがあるが、それもそのはず作者の矢崎存美さんは1985年に「星新一ショートショートコンテスト優秀賞」を受賞されていた。引き寄せられるように読むようになったのもまた、ご縁なんだなと思う。